過去の動画で、オメガ スピードマスター ダークサイド オブ ザ ムーン 9908 をご紹介したことがある。だが今日は、同シリーズの中でも私を強く惹きつけるもう一つのモデル、「ムーンダスト グレー」3869を改めて皆さんと分かち合いたい。
オメガ スピードマスター「ダークサイド オブ ザ ムーン」—— なぜ私はこのグレーセラミックモデルが一番好きなのか?
誰もが知っている通り、「ダークサイド オブ ザ ムーン」はオメガ スピードマスターの中でもセラミックを主打としたシリーズで、ブラックセラミックモデルが主流を占めている。しかしこのシリーズの中で、唯一無二の「グレーセラミック」モデルが存在する —— それがスピードマスター「ムーンダスト グレー」なのだ。
なぜ私が「ムーンダスト グレー」こそが真の「ダークサイド オブ ザ ムーン」だと言うのか。それは、実際の月の裏側はグレー色だからだ。1968 年、アポロ 8 号の宇宙飛行士たちは月の裏側を目撃し、「月は本来グレー色であり、他にどんな色もない」と語った。オメガはこの事実を基に、真の意味での「月の裏側」を再現したグレーセラミックモデル、「ムーンダスト グレー」を誕生させたのだ。
「ムーンダスト グレー」3869 は、マニュアル巻きスピードマスター 3861 をベースに開発されている。まず目を奪われるのは、間違いなくグレーの部分的ロングホワイトダイヤルである「月面ダイヤル」だ。
オメガは「ムーンダスト グレー」3869 のダイヤルとムーブメントに対し、大面積のレーザー彫刻加工を施している。月面の地形やクレーターの模様が精巧に刻まれ、グレーの下地と相まって月の裏側の光景をそのままに再現しており、その緻密さとリアリティには驚かされる。
ダイヤルの片側には部分的なロングホワイトデザインが採用されている。さらに 30 分計時カウンターと 12 時間計時カウンターが連結され、粒子状の装飾とレコード盤のような模様が加えられている。これにより、小さな計時カウンターが「グレーの月面」に埋もれることなく、時間の読み取りが容易になっている。しかも時計の針、時標、ベゼルのスケールにはすべて夜光塗料が塗布されている。「ムーンダスト グレー」のブレスレット裏面にさえ、「月のクレーター」模様の装飾が施されているのだ。
時計を裏返すと、彫刻加工が施されたオメガ 3861 マニュアル計時ムーブメントが見える —— これは新たに型番が 3869 と再番号付けされたものだ。オメガを代表するマニュアル計時ムーブメントであり、高級時計の中でも数少ない「クラシックな水平クラッチ式」マニュアル計時ムーブメントの一つでもある。
ムーブメントの計時に関わるすべての部品は、ムーブメントの中心線上に右から左へと順番に並んでいる。最も目につく 4 つの歯車 —— 常時回転秒車、クラッチ車、計時秒車、計時分車 —— がすべて視認可能で、鑑賞性と遊び心に富んでいる。さらに計時機能を制御するカムもはっきりと見える。
オメガ 3869 ムーブメントのルーツは 1968 年のオメガ 861 マニュアル計時ムーブメントに遡るが、現在の 3869 は「クラシックな構造」を維持しつつ、オメガ最新のコアアクシャルエスケープメントとシリコンひげぜんまいを搭載している。さらにオメガ マスタークロノメーター認証を取得し、15,000 ガウスの強磁場にも耐えられる防磁性能を備えている。1 日の誤差は 0/+5 秒の基準を満たし、パワーリザーブは 50 時間となっている。
オメガの新型スピードマスター「ダークサイド オブ ザ ムーン」全 4 モデルの中で、「ムーンダスト グレー」が私の目に最初に留まったのは、その独特なグレーの「メタリックな質感」にある。
「ムーンダスト グレー」に使用されているセラミックは、普通のセラミックではなく、セラミックの中でも最高峰と言えるプラズマセラミックだ。プラズマセラミックは、20,000 度という超高温度の「プラズマ炉」で焼成されており、その焼成温度は一般的なセラミックよりも遥かに高い。この特殊な製法により、プラズマセラミックには明確なメタリックな質感が生まれる。「ムーンダスト グレー」のこの「グレーのメタリックな質感」は、特にポリッシュ加工とブラッシュ加工が組み合わされた装飾の下で、光がプラズマセラミックの表面を流れるような効果を感じさせ、見る者を魅了する。
以前にも触れたが、オメガのセラミックウォッチは高級時計の中で「セラミックの使用率」がトップクラスだ。なぜならオメガは「セラミック製裏蓋のネジ加工技術」と「セラミックのネジ込み時の破損という課題」を根本的に解決したからだ。これはアウデマル・ピゲのロイヤルオーク セラミックモデルを含め、他の多くの高級時計ブランドが実現できていない技術だ。
現在販売中の新型「ダークサイド オブ ザ ムーン」シリーズは計 5 モデルあり、すべてセラミック製で公定価格はいずれも 11 万円台だ。しかしこの「ムーンダスト グレー」は同シリーズの中で最も価格が高く、118,300 円となっている。
一時期人気だった「ダークサイド オブ ザ ムーン」ブラックセラミックの「リトルロケット」よりも、なんと 2,000 円以上高い。その理由は、この技術含量の高いプラズマセラミックにある。
だからもしあなたがオメガ スピードマスターが好きで、比較的豊富な予算があるのなら、この「ムーンダスト グレー」こそがスピードマスターの中でもトップクラスの選択肢となるだろう。
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