IWCが時計業界で最も人気のあるパイロットウォッチ、マークシリーズの後継モデルを発表。

IWCの新作パイロット・ウォッチ・マーク XXが発表されたとき、IWCは基本的に沈黙を守っていたからです。ある朝、IWCの公式ウェブサイトに、ファンファーレを一切出さずに新作が掲載されたのですが、僕にはそれがとても印象的でした。製品そのものに語らせる手法が新鮮に感じられたからです。

IWCのマークシリーズは、第2次世界大戦後間もなく、パイロットウォッチとして英国国防省に支給されたマーク11として初めて登場しました。その後、数種類のモデルが発表され、最新のマーク XXは、現在生産終了となったマーク XVIIIに取って代わりました(そう、ここでは奇妙なことにXIXを欠いているのですが、その詳細は動画をご覧いただきたいと思います)。

一見すると、XVIIIとXXの両機の違いはあまり感じられないかもしれませんが、XXには微妙な改良が施されており、マーク XXはほぼすべての面で先代モデルより優れています。これらの変更点については、Introducing記事のなかでダニーの鑑識により詳しく紹介されていますので、ここでは割愛させていただきます。

僕はクラシカルなステンレススティールケースを採用したマーク XVIIIの美しさを堪能しました。しかし、その反面、いくつかの不満があり、このモデルを自分用に検討したり、ほかの人にすすめたりすることはできませんでした。直径40mmで、ラグが長いため、少なくとも僕の7.25インチ(約18cm)の手首には、The Spec Sheetの記事が示すよりも少し大きめに感じられ、その価格帯で自社製ムーブメントでないことも、価値という点で競合モデルよりも優位を感じることはありませんでした。僕は外部からのムーブメントの採用を嫌っているわけではありませんが、同じ価格帯で自社製ムーブメントを搭載した競合モデルがあまりにも多かったのです。マークXXは、そうした僕のふたつの不満を見事に解消してくれました。

ラグからラグの長さが数mm小さくなって装着性が向上し、ムーブメントは“自社製”(なぜ含みを持たせているかは動画内で説明しています)のCal.32111にアップグレードされ、この価格帯ではあまり見られない、なんと5日間のパワーリザーブを備えています。また、ダイヤルのプロポーションも向上し、防水性能も60mから100mにアップして、水中でのアクティビティ(もちろんダイビングは除きますが)でも安心して着用できるようになりました。

そう、マーク XXは厳密にはパイロットウォッチです。しかし僕としては、このような小さな変更の数々によって、都市生活にも週末のキャンプにも対応できるデイリーウォッチとして、本命視できるようになったと思っています。

素敵な時計、袋いっぱいのIn-N-Outバーガー、そして爽やかな飲み物。人生ハッピーです。

IWCのマーク XXについてもっと詳しくご覧になりたい方は、ぜひ動画をご覧ください。僕は、この時計を本来の“生息環境”である空港の近くに持って行き、世界最高のハンバーガーチェーンのひとつであるIn-N-Outに持ち込んでみました。そうです。そうです。もっといい方法があるって? では、コメント欄でお会いしましょう。

不思議に思うかもしれませんが、動画を撮るときに自分が食べているシーンは、元々予定していないのですが、撮影中はお腹が空くので無理をせずそうしています。真剣に写真を撮るフリをするシーンに差し替えることもできますが、それよりも自分の顔にハンバーガーを詰めるのを選んだのです。